石川県のことば

石川県の方言を解説していきます。

【石川県】ガッパ【方言】

ぱっと見カッパにみえますが、石川県お得意の濁点がついています。

ガッパ

【意味】 一生懸命に。本気で。

例文①

「やっべ。鬼婆ガッパんなって追いかけてきとるがいや」
意味:やば。鬼婆本気で追いかけてきてるじゃん。

無我夢中でなにかをしているのを「ガッパ(になる)」と言います。

ほかにも

例文②

娘「スマホ買ってま!」
訳:スマホ買ってよ!

親「ダメや。」

娘「何でダメねん?みんな持っとれんよ!私くらいしかスマホ持ってない子おらんげんよ!学割とかにしたら安く買えるんやし。バイト代で……(なんやらかんやら)」
訳:何でダメなの?みんな持ってるんだよ!私くらいしかスマホ持ってない子いないんだよ!学割とかにしたら安く買えるんだし。……

親「ほんなガッパんなって言わんでもいいがいやw」
訳:そんなにムキになって言わなくてもいいじゃんw

とムキになってわーわー言ってる人を、軽くあしらうときにも使われます。

学生時代に、もっとガッパんなって勉強してたら今とは違う人生だったんだろうな…とたまに思います。

今の人生は今の人生で楽しいですけどね。

【石川県】あたる【方言】

あたる

【意味】もらう。

あたると言っているのに「当たる」ではなく「もらう」なので、ややこしいことになります。

例文

「宝くじあたった!」
訳:宝くじ貰った!

「あたった宝くじはずれとった」
訳:貰った宝くじ外れてた

もう、当たったのか外れたのかどっちなんだ?!という謎の文章になります。

【石川県】コケ【方言】

コケ

【意味】(山に生えてる)きのこ

シイタケやエノキなどスーパーに売っているようなきのこ類は、普通に「しいたけ」「えのき」と言いますが、山へ行って採ってきたきのこ類に限って「コケ」と言います。

おもにシバタケ(アミタケ)という、なめこっぽい感じのきのこのことを指します。

例文

「コケ採ってきたさけ、食べるか?」
訳:山できのこ採ってきたから、食べる?

「コケ採んに行ってくるわー」
訳:きのこ狩りに行ってくるね

このシバタケ。
たまに貰うと、調理するまでの下処理が大変で…>_<
きのこのヒダに草がいっぱい入ってて、それを取り除いたりしなくちゃいけないんですが、なめこの様に表面がウェットな感じなので、草がくっついてなかなか取れない……

でも、味は絶品です!

【石川県】かやす【方言】

かやす

【意味】こぼす

例文①

「おつゆ、ほんなとこ置いといたらかやってまうよ!」
訳:お味噌汁、そんなところに置いといたらこぼしちゃうよ!

何かが溢れるときに使われますが、
器などの容器から溢れるという感じでもなく
スープをスプーンですくったときに、ちょっとだけスープがこぼれてしまった感じでもなく

器やコップごと倒れて、派手にジャバーっとやってしまった感じが

かやす

です。

石川県民は、子どもの頃に親から何度も言われていると思います。

例文②

花咲爺「枯れ木に花を咲かせましょ〜♪」
ぱっ※ぱっ※
花咲爺「あ!」
ザルがひっくり返って、灰を全部こぼしてしまう
花咲爺「あらー。灰かやってもーたー」
訳:あーあ。灰全部こぼしちゃったー
桜満開
花咲爺「きれーに咲いたし、まぁえぇわ!」
訳:綺麗に咲いたし、ま、いっか!

【石川県】しん、せん【方言】

しん、せん
【意味】しない。打ち消しの言葉。

「せん」は西日本の広い地域で使われていますが、「しん」は金沢独特の言葉になります。

同じ石川県でも金沢から20〜30分離れた加賀市小松市では「しん」とは言いません。

例文①
「今度みんなでホムパでもしん?」
「今度みんなでホムパでもせん?」
訳:今度みんなでホムパでもしない?

例文②
蟹「カキ取ってー」
猿「嫌だね。硬いカキ投げつけてやる」
蟹「痛っ」
猿「ワロスwww」
蟹「そんなことしんといて!」
「そんなことせんといて!」
訳:そんなことしないで!

【石川県】じゃまない【方言】

じゃまない

【意味】大丈夫

石川県では「邪魔」は全国共通の妨げるという意味でも使いますが、面倒という意味でも使われます。

なので
邪魔+ない=面倒ではない
となり、面倒じゃない=大丈夫
という方程式ができあがります。

例文①

「明日ちょっこ遅れるけどじゃまないけ?」
訳:明日ちょっと遅れるけど大丈夫?
「じゃまないよー」
訳:大丈夫だよー

大丈夫という意味に加え、都合がつきます。というニュアンスでも使われます。

例文②

「ばーばんとこに、りんご届けて欲しいげんけど、じゃまないけ?」
訳:おばあちゃんのお家に、りんごを届けてほしいんだけど、大丈夫?

例文③

  • 発表会、緊張するーー

「じゃまない、じゃまない」(大丈夫、大丈夫だよ)

  • 夏休み明日で終わるのに、宿題半分もできてないじゃないの!!

「じゃまない、じゃまない」(大丈夫、できると思う))

  • 会社、倒産した…

「じゃまない、じゃまない」(大丈夫、会社は他にもあるさ)

と、慰めるときにも使われます。

【石川県】1題目2題目【方言】

1題目、2題目

【意味】(歌の歌詞の)1番、2番

歌詞の段落を1番、2番というところを、石川県では1題目、2題目といいます。

学校の音楽の授業などでもサラっと使われているため、石川県の小学生のほとんどは方言だとは気づいていません。
大人でも、パソコンやスマホで「いちだいめ」と打ってもスムーズに変換されず、おかしいなぁ??と感じている石川県民もいるでしょう。

例文①

「今日は校歌の1題目だけ歌いましょう」
訳:今日は校歌の1番だけ歌いましょう。

例文②

サザエさんの歌
「お魚くわえたドラ猫 追っかけて〜♪」
↑これは1題目
「買い物しようと街まで 出ーかーけたーら♪」
↑これは2題目(本当は3題目)

ちなみに、石川県のお隣、富山県の一部でも1題目2題目と言います。