石川県のことば

石川県の方言を解説していきます。

【石川県】だちゃかん【方言】

だちゃかん

【意味】ダメだ。

ダメだの3文字で終わらせればいい単語を、わざわざ6文字にするという。

例文①

「テレビ電源入らんげん。もうだちゃかんな」
訳:テレビの電源が入らないんだよ。もうダメだな。

例文②

鬼姉1「ガラスの靴履けた?」
鬼姉2「んー!んーーー!!だちゃかん。入らんわ」
訳:んー!んーー!!ダメ。入らないわ。

ホントにダメだ_(:3 」∠)_
となったら
「だっちゃかん」
に進化します。

【石川県】色は無理やりイを付けて形容詞化【方言】

青い花
赤い花
って言いますよね?

では紫色の花の場合は?

むらさきぃ花

ですよ!!!

石川県では、色はなにがなんでも「い」で終わらせます。

赤、白、青、黒は元々「い」がつく色なので、そのまま形容詞化しています。
さらに
ピンク→ピンクい
緑→みどりぃ

そしてなぜか
黄色は

きない

と原型をとどめていない変化をとげます。

黄色いクマのプーさん
「きないクマのプーさん
というわけです。

【石川県】かたがる【方言】

かたがる

【意味】物が斜めになっている状態。(物が)傾く。

傾いているときは、片側が上がっているから「かた(上)がる」になったとかならないとか。
石川県に住む未成年のほとんどは方言だと気付いていないかもしれません。

例文

「あれがピサの斜塔かー!」
「えらい、かたがっとるんな」
訳:すごく傾いてるね

物が傾いているときのみ「かたがる」になりますが、「首を傾ける」や「会社が傾く」のような場合は適応しません。

ホウゲンムズカシイネ

【石川県】いしな【方言】

いしな

【意味】石

例文

赤ずきん「オオカミのハラ切って、いしな入れといたわ」
訳:オオカミのお腹切って、石を入れておいたわ

あー、赤ずきんちゃん、可愛い顔してなかなかクールだねぇ……。

「いし」なぜ「な」がついているのかは永遠の謎です。
ちなみに、「いしな」という方言を使うのは年配のオッサン限定だと思います。(筆者調べ)

【石川県】コミュ力向上の「ほー」活用【方言】

ほう

【意味】そう。様態の助動詞「そうだ」の語幹

例文

「ほーや!沖縄行こっさ!」
訳:そうだ!沖縄に行こう!

石川県では助動詞に使われる「そ」が「ほ」になります。
これを応用すると、以下のような単語ができます。

①「ほーなんや!」
訳:そうなんだ!

②「ほんで?」
訳:それで?

③「ほうかー」
訳:そっかー

④「ほーなんけ?」
訳:そうなの?

⑤「っほーーん」
訳:へぇー

面倒くさい会話は、だいたいこの5種類で対応しておけば大丈夫です。

【石川県】おいでる【方言】

おいでる

【意味】来るの尊敬語。いらっしゃる。居る。

来るの敬語は「おいでる」と真剣に答える石川県民は少なくないかもしれません。

例文①

「今日、ガラスの靴合わせに王子様おいでるし、ちゃんとしとらんなんよ」
訳:今日、ガラスの靴を合わせに王子様がいらっしゃるから、お行儀よくしてなくちゃダメよ」

来ない(いらっしゃれない)場合は、<おいでる>+打ち消しの<せん>で「おいでん」となります。

例文②

「今日、王子様おいでんげんと」
訳:今日、王子様いらっしゃらないんだって

ほかには、いないの尊敬語としても使われます。

例文③

「今日、舞踏会行ったんに、王子様おいでんだ」
訳:今日、舞踏会行ったのに、王子様いらっしゃらなかった」

尊敬語とか、謙譲語とか、
ただですらややこしい日本語が、
方言でさらにややこしくなります。

【石川県】ちょっこ【方言】

ちょっこ

【意味】ちょっと 、少し

例文①

「ちょっこ鬼退治行ってくるわー」
訳:ちょっと鬼退治行ってくるねー

「ちょっとコンビニ行ってくる」のちょっとです。

「少し」という使い方になると、「ちょっこ+し」になる事もあります。

例文②

「きびだんご、ちょっこししかあたらんだ」
訳:きびだんご、少ししか貰えなかった。

でも、「し」があってもなくても意味は一緒です。

生まれ変わったら
「ちょっこ家こうてくるわー」
訳:ちょっと家買ってくるねー
とサラッと言える貴族になりたい(*´-`)