石川県のことば

石川県の方言を解説していきます。

【石川県】いじっかしぃ【方言】

いじっかしい

【意味】うざくらしい。うるさい。煩わしい。

例文

コビト1「遊んでよー」
コビト2「あそぼーよー」
コビト3「ねーねー」
コビト4「なんかしよーよー」
白雪姫「ムリ。眠い」
コビト5「早くあそぼー」
コビト6「あーそーぼーあーそーぼー」
コビト7「ハイホーハイホー♪」
白雪姫「いじっかしぃーーーーーー…」
訳:うざくらしいー

ウザいことを「いじっかしい」と表現します。

前髪が目にかかって「いじっかしぃ」

親に何度も勉強しろと言われて「いじっかしい」

彼氏がストーカー化して「いじっかしい」

と、ウザくてしょうがないときに使われます。

ウザすぎてイライラすると

「えーんな、いじっかしいんな!」

と怒ります。

【石川県】えーんな【方言】

えーんな

【意味】もう。自己の感情を強める表現

標準語では「もう」が一番適切な解釈かなと思いますが、状況によって微妙にニュアンスが違います。

例文①

「えーんな、何ダラなことしとれんて!」
「もう!何バカなことしてんの!」

よく子供に言うセリフです。
でも、チ◯チ◯出して遊んでるときにこのセリフを言うときは「もう!笑」と、ちょっと笑って言ってしまいますよね。
こういうときは「えーんな」は使わず、普通に「もう」と言います。

では、どういうときに使うかといえば、例えばパソコンを壊したとか、車を石で傷つけたとか、急いでいるのに対応が凄く遅いなど、本当に怒ってしまうような状況やイライラしたときの「もう!怒」が「えーんな!」です。

それをふまえての

例文②

のひ「ドラへもーん!またシャイアンにいじめられたー。なんかいい道具ないー?」
ドラ「のひ太くんすぐ道具壊すし貸してやらん」
訳:のひ太くんはすぐに道具を壊すから貸さない
のひ「そこをなんとかお願ーい!」
ドラ「だめっちゅーたら、だめや!」
訳:だめったら、だめ!
のひ「そこをなんとかーーー」
ドラ「えーんな、いじっかしい!」
訳:もう!うっとうしい!

ドラへもん、のひ太の貸して貸して攻撃にイライラしてますよね。
こういうときのイライラが爆発して眉間に皺を寄せながら出てくるのが「えーんな」です。

いつになっても駐車場にバックで車を入れられないオバチャンをみて
「えーんな」

何回やっても針に糸が通らないときも
「えーんな」

思いつく限りの単語を打ち込むのに《IDかパスワードが違います》のメッセージをみて
「えーんな」

と、短気な人はしょっちゅう「えーんな」とつぶやいています。

【石川県】おつけ、おつゆ、おしる【方言】

おつけ、おつゆ

【意味】お味噌汁

「なすびのおつけいるか?」
訳:ナスのお味噌汁いる?

「ほんなとこ置いといたらおつゆかやってまうぞ」
訳:そんなとこに置いたらお味噌汁こぼしちゃうよ

お味噌汁全般を「おつけ」「おつゆ」と言いますが、「おつけ」を使うのは年配の方が多く、殆どの石川県民は「おつゆ」と表現しています。

おしる

【意味】お味噌汁を含むスープ類全般。

少数派として「おしる」も使いますが、保育園の先生など小さい子供に向けて使われているケースしかみたことがありません。

【石川県】おとろしー【方言】

おとろしー

【意味】恐ろしい。怖い。


本気で恐怖を感じたときに使うパターンと、あーコワwくらいな軽い感じで使うパターンがあります。

例文①

桃太郎「あ!鬼ヶ島発見!!」
猿犬雉「おとろしーーーー」
訳:こえーーーー

例文②

猿「あの鬼見てみまっし。でっけー角生えとる。」
訳:あの鬼見てよ。大きい角生えてる
犬「がんこなキバやんな」
訳:すごいキバだね
雉「おとろし顔しとるわ」
訳:怖い顔してるね

「おとろしー」がさらに強調されると「おとろっしゃー」に進化します。

例文③

犬猿雉「鬼追いかけてきとれんけどー!」
訳:鬼、追いかけてきてるんだけどー!
鬼「ガオーーーー」
犬猿雉「おとろっしゃー」
訳:恐ろしいよー

実際はほとんどの場合、あーコワwな程度で使われています。

【石川県】目もらい【方言】

目もらい

【意味】ものもらい。

全国各地、いろんな言い方がある「ものもらい」
皆様の地域ではなんて言ってますか?

京都の山奥育ちの私の祖母はメバチコと言ってました。

例文

「目もらいできてもーて、目ぇいてーわ」
訳:ものもらいできちゃって、目が痛いよ。

ちなみに、この目もらい、ものもらい。
「もらう」と表現しているので、人から人へ感染していそうな感じですが、人にうつることはありませのでご安心を。

【石川県】はよしねま【方言】

先生「プリントうしろに回してくださーい」
1番目の人「はい」
2番目の人「はい」
3番目の人「…(手がカサカサでなかなか1枚取れないな)
4番目の人「はよ しね ま」
3番目の人「…(え。いま死ねって言われた…)なかなか取れなくて」
3番目の人 手が震えてプリント落とす
4番目の人「はよ しね」
3番目の人「((((;゚Д゚)))))))」

完全に言葉の暴力な感じのこのやりとり。
石川県の加賀市内ではよくある光景です。

はよしねま

【意味】早くしてよ

「して」が加賀市だと「しね」になるんです。
一文字違うだけで、こんなにニュアンスが変わるんですね。
なので、上記の4番目の人は、3番目の人がなかなかプリントを回してこないので「はやくして」と催促している訳です。
決して悪意がある訳ではないのでご安心を。

例文

「まだ着替えてないん?はよしねま」
訳:まだ着替えてないの?はやくしてよ

「宿題、はよしね」
訳:宿題早くしようね

聞こえてくるニュアンスが悪いですが、割と優しめに言っている場合が多いです。

【石川県】校下【習慣】

校下(こうか)

【意味】通学区域。学区

例文

はてな中学校校下の町名一覧
訳:はてな中学校通学区域の町名一覧

オフィシャルな文書にも「校下」を用いることが多いので、県外の方は少し戸惑うかもしれません。

ただし、最近は「校区」に統一しようかという流れもあり、もしかして近い将来なくなる方言になるかもしれない絶滅危惧種です。